「高級な蜂蜜がローヤルゼリー」などと誤解をされることがありますが、蜂蜜とローヤルゼリーは全く異なる物質です。蜂蜜は働き蜂が花の蜜を巣に蓄え熟成させた甘味料であり、ローヤルゼリーは働き蜂が花粉を元に体内で消化・合成し分泌したものです。とろりとした乳白色の物質で酸味が強く、見た目も味も蜂蜜とはまったく異なります。
最初の段階では働き蜂も女王蜂も同じ卵であり全く違いがありません。ところが、孵化してからは、ローヤルゼリーより質の劣るワーカーゼリーを、後には蜂蜜と花粉を与えられる幼虫が働き蜂となる一方、女王蜂となる蜂は生まれてから生涯にわたりローヤルゼリーを食べ続けるのです。つまり、ローヤルゼリーは、女王蜂だけが食べ続けることを許された特別な食べ物なのです。 成長した女王蜂と働き蜂を比較すると、女王蜂は体の大きさが2～3倍、寿命が30～40倍にもなります。また、卵を産むことができない働き蜂に対して、女王蜂は毎日約1,500～2000個もの卵を産み続けることができます。このように同じ卵として生まれたのにも関わらず、後に特徴や能力が大きく異なるのは特別食であるローヤルゼリーの影響だと言えます。
花粉などを食べた蜜蜂の体内で生合成され下咽頭腺から分泌されるローヤルゼリーは蜜蜂の母乳のようなもの。花粉（植物の精細胞）に多く含まれているタンパク質（アミノ酸）やビタミン、ミネラルをローヤルゼリーがバランスよく含んでいるのも頷ける話です。またデセン酸は、自然界ではローヤルゼリーにしか含まれていない特有の成分で、ローヤルゼリーを特徴づけています。 最初は働き蜂と同じ幼虫だった女王蜂が、働き蜂の2倍以上の体長と40倍以上の寿命を持つのは、女王蜂だけに許された特別食ローヤルゼリーのお陰。そう考えると、最近話題を呼んでいるローヤルゼリーの生体免疫調整や老化防止などの機能も納得がいきます。現在は栄養補助食品や化粧品の分野でさまざまなローヤルゼリー商品が販売されていますが、今後はさらに各方面での研究が進められることにより、ローヤルゼリーの持つ健康の維持・増進や美容に対する可能性が大きく広がっていくことでしょう。
